アスイク 代表のブログ

こどもの貧困問題、NPOの経営、生き方在り方などについて。

夏休みの3つの不安

仙台市内の小中学校のほとんどでは、今日から夏休みがはじまる。

 

私たちがつながっている子どもたちに関していえば、心配ごとの増える時期でもある。

 

・やせていく心配

 

・居場所を求めてさまよう心配

 

・夏休みの思い出をつくることができない心配

 

それぞれについて考えてみよう。

 

・やせていく心配

 

これは、関係者の間では、よく話題にあがることである。しかし、それ以外の人たちからすれば、ほんとうにそんなことがあるのか、話を盛っているのではないか、といぶかしがる場合もあるかもしれない。

 

子どもたちの一部がやせる理由は、学校給食がなくなることが大きい。ただし、どれくらいの子どもの体重が減るのか、その理由は本当に給食がないことなのか、明確なエビデンスがあるのかは私の勉強不足ゆえに断言できない。それでも、現場の支援者たちの「実感値」、あるいは困窮を経験した当時者の「経験談」としては現実に起きていることである。

 

もう少し踏み込んで、なぜ学校給食がなくなるとやせる子どもが増えるのか。それは、所得は増えないのに食費が増えるからである。夏休みで給食がなくなろうが、生活保護費や児童扶養手当などの現金給付は増えない。その分はいまの所得内でやりくりしなければならない。やりくりできない家庭は、それが子どもの食事の制限となり、やせるという現象として現れる。

 

・居場所を求めてさまよう心配

 

これも関係者では、「あるある」の不安だ。私が理事をつとめる全国子どもの貧困・教育支援団体協議会が開催した先日の合宿でも、グループディスカッションのテーマとなった。

 

親子の関係がこじれている家庭では、家の中で親子がともに過ごす時間が長くなることによって、双方のストレスも増える。その結果、子どもたちが居場所を求めて家出をする状況を見聞きする(中には子どもではなく、親が出ていってしまうケースもある)。

 

家出をした子どもたちは、どこに行くのだろう。仲の良い友人がいる場合は、その友人宅に入り浸ることもある。そういった友人や頼れる人がいない場合は? 2017年にSNSでつながった9人が殺害された事件が座間市で起きたが、身近なところでもSNSで知り合った異性の元に行ってしまうケースは決して珍しくない。特に人とのかかわりに苦手意識をもつ子どもたちが増えているなか、群れるよりも水面下でこういった行動をとることが多くなっていると感じる。

 

・夏休みの思い出をつくることができない心配

 

「子どもの頃の夏休みの思い出は」と聞かれたら、何を思い浮かべるだろう。

子どもの自分が、夏休みの間中、どこにも連れていってもらえなかったら、どんな気持ちだろう。

 

時給制の仕事をかけ持ちして働かざるを得ないひとり親。重い精神疾患で家に閉じこもっている親。親戚や地域社会からの孤立。さまざまな理由で、どこにも行く予定のない子どもがいる。

 

思い出がないことの問題はなんだろうか。もちろん、どこかに遠出したり、旅行することだけが思い出ではない。しかし、子どもたちの思い出話の多くは、どこそこに行った、という話が多いのではないだろうか。夏休み明けに、そんな「語り合う話」がない子どもはどんな気持ちだろうか。

 

 

ここで取り上げた3つの不安について、私たちができることは何だろう。

 

やせる問題についてまず思いつくのは、こども食堂である。最近は長期休暇の期間に開催するこども食堂も増えていると聞く。一年中開催するのは難しくても、長期休暇の間であれば頑張れる人たちも少なくないかもしれない。

また、食べられるが販売できない食品や、家庭で使わない食品を寄付で募り、施設や家庭に提供するフードバンクやフードドライブといった活動に協力するのも一つだろう。もっとも、全国のフードバンク・ドライブは、人手や運営資金の不足で、個別の家庭に食事を届けきれていない現状にも目を向けてほしい。

 

行き場所を失う子どもたちについては、親子の関係、その背景にある生活の余裕のなさが根底にあるため、そしてSNSなどの見えにくい場所で起きることであるため、対応が難しい問題である。

理想論的な話になってしまうが、どの子どもも家庭以外に1つ以上の居場所を持てるような社会をつくっていくことが必要だろう。それは、宿泊できるような居場所である必要はない。積もり積もった感情を表に出し、誰かに受けとめてもらえる場所・関係があることが大事だと思う。

 

夏休みの思い出づくりも、上と共通する部分が多い。そういった意味では、日常的に開かれている居場所だけでなく、休みの期間だけ開催されるようなイベント型の居場所も効果的だと考えられる。通常の居場所活動には参加しないが、イベントにはひょこっと顔を出す子どもがいるという話も耳にする。

私たちの団体では、ホールアース自然学校さんに協力いただき、福島の裏磐梯に毎年キャンプへ行っている。今年は去年よりも10名定員を増やしたが、30人の定員に対して60人が申し込み、半数も抽選で落とさなければならなくなってしまったことが悔やまれる。

 

 

最後に、実はここであげた3つの不安を、日常的に抱えている子どもたちがいる。

それは、不登校の子どもたちである。

 

給食のない毎日。

家にずっといて、親と日常的に言い争う毎日。

思い出のない毎日。

 

ほぼ毎日学校に行っていない子どもたちにとっては、夏休みの不安が日常である。

不登校の子どもたちがすべてそういった状態にあるわけではないが、全国的に不登校の子どもは増えつづけており、14万人以上(仙台市内の小中学生だけで1,600人以上)という現実に目を向けなければならない。

 

 

NPO法人アスイクでは、子どもたちの居場所の一つとして、多賀城こども食堂を運営しています。この活動を継続するために、夏の寄付キャンペーンを実施しております。ぜひお知り合いへのシェアなど、ご協力いただければ幸いです。

(詳細は下記のリンクからご確認ください)

japangiving.jp