アスイク 代表のブログ

こどもの貧困問題、NPOの経営、生き方在り方などについて。

仕事に自分を合わせずに、自分に仕事を合わせる。

なんて言葉を、20代の自分に言ったら、たぶん怒ったでしょうね。

なにせ、座右の銘は「人生に期待するのは間違っている。人生があなたに期待している(※)」でしたから。

アウシュビッツから生還した精神科医、V.E.フランクルの言葉。

 

自分らしさ、なんて言葉は大嫌い。

人の役に立って、人から必要とされて、自分の存在意義がみえてくる。

だから、とにかく自分を中心に据える生き方を捨てなければならない。

そんな風に生きようともがいてきた結果、震災をはじめとしたさまざまな偶然が重なって、僕はNPOを経営することになったのでした。

 

過分な評価ですが、震災後の社会起業家の代表格と評価いただくこともありました。

それは、同時にプレッシャーにもなっていきました。

支えていただいたご恩に報いなければならない。

目の前にある機会や課題に、しっかり対応しなければならない。

周りからの期待に応えなければならない。

経営者としてのあるべき姿に忠実でいなければならない。

こういった思考の裏には、たぶん「恐れ」もあるのだと思います。

がっかりされたくない。

馬鹿にされたくない。

今の立場を失いたくない。

たとえば、そういった恐れ。

そして、こういったことが頭の大半を占めていくにつれ、傍目の順調さとは裏腹に、自分と仕事のつながりが遠ざかるような感覚も増えていきました。

(これはNPO代表の「あるある」だと思ってます)

 

数年前、あるワークショップで突きつけられた言葉があります。

「あなたを見てると、仕事をしているのが辛そうだ」

初対面の人にそんなこと言われたくない、と怒りがこみ上げました。

でも、実は自分への怒りだったのでしょうね。

自分でもうすうす勘づいていた。

 

それから色々なことがあって、「頭」と「体」と「心」のバランスを大事にしながら生きていくことを意識するようになりました。

達磨落としのように、この3つが積みあがっているイメージ。

やっぱりバランスを崩してしまうことがありますが、でもバランスが崩れていることに気づけるようになったのは、僕にとっては大きな進歩です。

 

だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、こういったプロセスの中で「本当の仕事」というワークショップに参加してきました。

タイトルだけ見ると怪しさ満点かもしれませんが(笑)、日本で最も有名なコーチング会社であるCTIジャパンを創設した榎本英剛さんという方の思想をベースにしたワークショップで、わかりやすく深みのある内容です。

 

僕の浅はかで偏りのある理解ですが、理由もないけど好きなこと、時間が経つのを忘れてしまうこと、言葉では説明できないけど惹かれてしまうこと(ワークショップでは「純粋意欲」と呼びます)に忠実に生きようというのが、大きなメッセージだったと思います。

 

で、タイトルに戻るんですが、僕も含め、ほとんどの人は仕事に自分を合わせて生きていると言っても過言ではないでしょう。

でも、本当にそれは正しいことなのか。実は自分の純粋意欲をしっかり受け止め、それに合うような仕事を探したり、つくったりする。あるいは、今の仕事への向き合い方を変えてみる。つまりは、自分に仕事を合わせるという生き方も選べるのではないか。

 

自分に仕事を合わせると、今まで固定観念に縛られてきた仕事の見え方(ワークショップでは「メガネ」という表現を使います)が変わってきます。

仕事は一つじゃなければならない、というわけではない。

仕事はお金につながらなければならない、というものでもない。などなど。

 

僕はこのワークショップに参加して、大げさかもしれませんが、これからの人生が楽しみになりました。自分には、自分の生き方を選択できる自由とか、チカラがあると感じた気がします。同時に、今の仕事をまた新しい角度からとらえ直すことができ、やりたいことがたくさん溢れてきました(笑)。

 

ワークショップから帰る途中、ふと頭をよぎった恩師でもある加藤哲夫さんの言葉。

何か通底するものがあるなと感じました。

 

「無意識にひかれるものってあるじゃない。"なんとなく"を、大切にしてください。行ってダメだったら、別のところにいけばいいのです」

「何が気になるかは、わからない。わかる必要はないんです。気になることの方向性に歩んでいけばいい。そうやって20年やってきたら、足跡がひとつながりになって、なんで気になったのかな、ということがようやくわかってきます」

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(ワークショップの開催場所は、waccaという素敵なイベントスペース。オーナーさんの自宅でもあるんですが、そのストーリーが本当に感動的で、涙を抑えらえない参加者もいました)